“心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。”
ウィリアム・ジェームズ(1842.1.11-1910.8.26)
これは有名な言葉です。誰もが一度は目にしたり耳にしたことがあると思います。そして、この言葉に勇気を与えられて行動を起こすと思います。
意思の強い方、習慣付けがうまい方はこれらを実践し、うまく結果に結び付けられると思いますが、私は上手くいきませんでした。もしかすると、私と同じような経験を持つ方もいるかも知れません。そんな方に、人格や性格、考え方などを変える一風変わった方法をお伝えしようと思います。
突然ですが、日本語の『いただきます』に対応する言葉はなんだと思いますか?『I’ll have this meal』?いいえ。これは単なる直訳で全然意味は通じません。この、日本語の『いただきます』に対応する英語はありません。ですから、『いただきます』をイギリス人に説明する際は対応する単語ではなく文章で説明しなければなりません。(This word means thanks to the people who made this meal and the food itself that gave its life.)
この他にも『わびさび』だったり『木漏れ日』など英語の単語に1対1で対応していない言葉が沢山あります。
これは逆も同じで英語では1単語で表現できても日本語に翻訳する際に文の形で説明しないと通じないものがあります。ぱっと思い浮かぶだけでも『jaywalk』などは日本語に対応する言葉がありません。文で表すと『信号などの規則を守らずに道路などを横断すること』です。また、日本語で『理解する』という単語でも英語では、そのニュアンスや程度によって『understand』『comprehend』『realize』などの言葉があります。
日本語と英語だけでなく、これはすべての言語において言えることです。
突然ですが、貴方は物事を考えたり、感じたりする時、何語が頭の中をめぐりますか?おそらく、ネイティブな日本人であれば日本語だと思います。
例えば気温がとても低い冬の朝、外に出た時、あなたはどう感じるでしょう?『寒い』『とても寒い』『むちゃ寒い』『凍てつくような寒さ(笑)』などでしょうか。
では、アメリカ人の場合はどうでしょう?
『cold』『a bit cold』『pretty cold』『terribly cold』『piercing cold』『chilly』『frosty』『freezing』などでしょうか。
ちょっと浮かんだものだけを列挙してもこれだけ違います。これは何を意味するかといいますと、日本人が日本語で感じた寒さをアメリカ人は英語で感じることが出来ないということです。逆もしかりです。
そうなんです。つまり、
日本人の考え方、感じ方は日本語なしでは存在できないのです。そして、アメリカ人の考え方、感じ方は英語なしでは存在できない。
ここまでの話だけを聞いていると、『なるほど〜』だけで終わってしまうと思いますが、今回はこの事実を生かした自分の性格や考え方の変化のさせ方を解説します。
よく、言語の異なる国(例えば、日本と韓国、中国とインドなど)がなかなか仲良く出来ず衝突を繰り返しているのを目にすると思います。この理由は、もちろん、歴史的な背景や貿易摩擦などの影響もあります。しかし、根本的な問題として、相手の考え方が100%のレベルで理解できないのには言語が違うからという理由が存在します。
これは、逆を言うと相手の言語を勉強すればある程度相手の考え方、感じ方を理解できることを意味します。
つまり、今まで自分の中に存在しない概念やモノの捉え方ができるようになるのです。これは、所謂『パラダイムシフト』のようなもので地動説が天動説に変わるようなことを意味します。そうです。
今まで1つの言語(基準)でしか物事を考えたり感じたりしか出来なかったのが、もう1つの言語(基準)で物事を考えたり捉えたりできるようになるのです。これが起こると、人は大きく内面を変化させることが出来ます。
近年、『言語を習得すれば性格は変わり続ける』というテーマの論文が発行されたことは記憶に新しいと思います。ただ、気をつけなければいけないのは、その研究では『考え方や性格が変わる』とは言っていますが、それが必ずしも『いい方向への変化』とは言及していない点です。
近年、日本の英語教育への力の入れようは異様なほどで、幼稚園、小学校を日本にいながらinternational schoolに入れる親も多いと聞きます。しかし、重要なのは習得するまでやることです。私は、幼少期をアメリカとオーストラリアで過ごしましたが、日本語と英語を中途半端にやったためにどちらも疎かになってしまった人を何人も見ました。私がどこまで日本語を習得できたのかわかりませんが、父親は日本語も英語もどっちつかずになった例を見ていたため、それを避けるために私を日本語学校に通わせ、日本語をきちっと勉強させつつ、現地の野球チームに入れて英語にも触れさせるという教育スタイルをとっていました。ここで誤解のないように伝えますが、日本語でなければいけないということではありません。英語でも良いんです。中国語でもフランス語でも。とりあえず、何か一つコアとなる言語を習得し、その後に、若しくは余力の範囲で他の言語に触れるのが良いと思います。
語学学習が性格を変えるという最近の研究でも取り上げられているホットな内容をお伝えしました。語学学習、苦手な方もいると思います。あんまり好きじゃないけど、進学や就職のために勉強しなければと思っている方もいると思います。そんな方は、考え方を変えて、自分のモノの捉え方を変える手段の一つとして考えると、もしかすると語学学習が今までより苦痛でなくなるかもしれません。また、自分を変えるという観点から言うと、その言語は英語に限る必要は全く無いのです。自分の内面を替えたいと思っている方、是非、語学習得にチャレンジしてみましょう!
”言語が変わればモノの捉え方が変わる
モノの捉え方が変われば考え方が変わる
考え方が変われば世界が変わる”
こーちゃん
最後まで読んでくださってありがとうございました。