インターネットは世界の距離を縮め、あらゆる情報へのアクセスを簡単なものにしました。それは便利な半面、知りすぎることで時には人を不安へと追い詰めてしまうことがあります。
あかちゃんの成長には個人差があります。
『首の座りが遅い』
『なかなか寝返りができない』
『ハイハイが遅い』
『つかまり立ちをしない』など
特に、新米パパ、ママはネットなどの一般的にという言葉から少しでも遅れると不安になってしまいます。核家族化が進む中、専業主婦(夫)である場合、一人で過ごす時間はとても長いです。相談できる人がいる場合はいいですが、あかちゃんと二人で過ごしていると悪い方悪い方へと考えを巡らしてしまうこともあります。
私には、息子より1週間遅く生まれた甥っ子(息子にとって従兄弟)がいます。息子は甥っ子と比べて体重が重かったせいもありますが、なかなか首も座らず、寝返りもしてくれませんでした。息子が4ヶ月の時、仕事の都合でアメリカに1ヶ月いっており、嫁は実家の北海道に里帰りしていました。甥っ子の家も近くよく、二人が並んだ動画を受け取っていました。甥っ子は首がすわるのが早く寝返りも息子よりもムチャクチャ早かった。嫁には言えませんでしたが、内心、『息子は成長が遅いのかな?』と少し焦っていました。1歳になってもつかまり立ちは殆どせず、ハイハイばかりしていました。一方、甥っ子の親から送られてくる動画には、小走りする姿が。。。
現在、息子は1歳半になりました。息子は今では甥っ子に負けないくらい走り回ったり、おもちゃの車に乗って遊んだり、ピアノの椅子によじ登って一人でピアノを弾いたりしています。私が飲んでるコップに水がなくなったのを見ると、冷蔵庫まで行って氷を持ってきてコップに入れてくれたりもします。
私は大切なことを忘れていました。成長しきった大人ですら個性が溢れています。なのに、子供の成長に個性があることを認識できていなかったのです。
子供にとって親は1日の殆どを過ごすかけがえのない存在です。子供はどんなに親が疲れていても、嫌なことがあっても、不安なことがあっても満面の笑みで歩み寄り、信頼し、時には感情をむき出しにして大泣きします。そんな親にできることは、ただただ、子供の成長を信じて見守り、寄り添うことだと思います。成長が遅かったり早かったりするのは当たり前です。『一般的に』という言葉は、ただ単に平均としての意味しか持ちません。テストで平均点が50点というのは、みんなが50点の点数をとったという意味ではなく、みんなの合計をただ人数で割ってみたら出てきた点数という意味しかありません。
どうか、子供の成長を見守ってあげてください。人と比べて一喜一憂しないでください。確かに、母子手帳などを見ると『何歳までに何ができること』みたいな項目があります。検診の日が近くなって出来ていないと焦る気持ちもわかります。もしかすると検診で『ちょっとみんなより遅いね』と言われるかもしれません。でも、それは貴方の子供の個性なんです。
もし、世界がその個性を認めてくれない状況(こんなことはありえませんが)になっても、親だけは味方でいる。信じている。この気持が大切だと思います。
不安のスパイラルに陥ると、不安は増大し、日々起こる色々なことがマイナスの色眼鏡で見えてきます。
今日の子供と今日を過ごせる時間は『今』だけです。どんな大金持ちでも、筋肉の持ち主でも、その時間を後でもう一度体験することは出来ません。
今は今しかありません。そんなかけがえのない子供との時間を不安にかられるのではなく、かけがえのない素晴らしい時間として感じてください。
皆さんが、私のような不安にかられて、大切な時間を無駄にせず過ごせることを祈っています。